ごあいさつ

中條のウェブサイトでは、中條俊夫 (以後、担当者N) の褥瘡 (decubitus、床ずれ: bedsore、圧迫潰瘍: pressure ulcer) のケア経験から得られた情報を公開します。

わが国では、多くの床ずれに関するテキストブックやガイドラインが出版されていますが、担当者Nの経験からみると、中には十分なエビデンスに基づかない記述や、十分な検討がなされていない内容が、あたかも絶対的であるかのように書かれている場合があるように思われます。例えば、「このようなケアをすると床ずれは悪化しますので、やってはいけません」と常識化していることも、対象の状態や時期やケア方法が適切でないからではないかと疑われる場合もあります。エビデンスが十分でない場合や、思い込みもあるように思われます。

このウェブサイトを担当している担当者Nは、1997年3月10日から床ずれのケアに携わり、2014年2月18日までの約16年間に、関越病院 (急性期病院)、青葉病院 (慢性期病院)、三軒茶屋第一病院 (慢性期病院)、の3病院において、1899人の床ずれ保有者の治療とフォローアップに当たってきました。ケアをした床ずれの数は3678箇所に上っています。

これまで、これらの経験に基づいた本を出版することも考えましたが、毎年100名以上に及ぶ新しい床ずれ保有者のケアとそのデータの整理に追われ、仕事の遅い担当者Nはまとめる事ができず、今日に及んでしまいました。自分の年齢を考えると、貴重な経験をさせて頂いた患者さんや、熱心にご協力頂いた同僚の方々のご厚意を無にしてはいけない、多くの情報を後世に残さねばならないと考えていました。しかしながら、担当者Nにとっては、テキストブックのように順序だった形式の本はいつまで経っても完成できそうもありません。

今回、このような担当者Nの窮状を見かねて、ウェブサイトを立ち上げようと応援して下さる方が現れました。長い間、床ずれ医療で協力関係にあった竹田和博氏です。また、新たに青木路人氏という数理に明るいスケットも現れ、ようやくウェブサイトによって、担当者Nの床ずれに関する情報や考え方に陽があたることになりました。

このウェブサイトでは、担当者Nが残したいデータ分析や、自分の発想によって得られた効果などを、順序立てずに、まとめることのできたテーマから順次掲載する予定です。

これらのデータをまとめる間に、また経験数が増えたり、新たな治験が得られたりすると思うので、当初は、現在 (2014年2月18日) までの事例1899名、床ずれ3678箇所を用いて分析結果を提示します。今後、事例が増えた時点でバージョンアップをする場合は、そのデータはいつまでの事例でまとめたのかを明確にします。

これらの情報報告に関して頂いた質問やコメントに対する回答は、「よくある質問」という項目を作り、そこにまとめて記載させて頂きたいと思います。

データの基になる床ずれの写真を提示できれば、理解・納得して頂きやすいとは思いますが、現在のウェブサイトを一般公開という条件で作成するため、写真をそのまま提示することはいろいろな理由から困難です。原則として、写真の代わりに図 (元写真の番号がついた図) で提示します。全ての床ずれの写真には固有の番号を付していますので、元の写真の確認が不可欠と考えられる方々のためには、将来、限定した会員制度を導入する以外はないかと考えています。

データの提示では、どなたのデータであるかが全くわからない配慮をしていますが、元のデータや写真は確実に整理・保存しており、メーキングは全く行われていません。

現在、記録しているデータの項目については、ウェブサイトの「記録データ項目」というページに記載しております。そこには記載方法についても説明しております。

皆様のお役に、少しでもたつことを祈っております。

2014年4月 担当者N (中條俊夫)

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